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Various testing methods and selection guidelines

各種の検査方式と選定の目安

下記の各種の方式を考慮し組み合わせて、対象ワークに最も適した方式を選択します。

テスト圧による選択

スクロールできます。

メリット デメリット
加圧法
  • 正圧を加え検査する。
  • 対象:使用時に内圧が高くなるワーク、内部に液体が入るワーク。
  • 検査圧力を高くすることにより検出力を高くできる。
  • 気泡目視による漏れ箇所のチェックができる。
  • 温度変化、変形影響等の圧力変化影響を受けやすい。
減圧法
  • 真空引きを行い負圧によって検査する。
  • 対象:負圧で使用されるワーク、テスト時に温度変化や変形のあるワーク。
  • 温度変化、変形影響等の圧力変化要因を受けにくい。
  • 正圧に比べ検査圧が制限される。また同じ穴径でも漏れ量が小さくなる。
  • 水や油による蒸気圧の影響を受ける。

ワークの形状による選択

スクロールできます。

メリット デメリット
差圧法
  • ワークの内部を計測する。
  • 対象:一般のワーク、開口部分が多いワーク。
  • 治具費用が外圧式より安価。
  • 中子を利用して内容積を少なくすると高感度になる。
  • テスト圧が高くなると温度変形の影響を受けやすい。

通常の方式です。検出精度向上とテスト時間短縮のためワークの容積はできるだけ小さくなるよう中子を入れます。

圧⼒変化法チャンバ法
  • ワーク内に加圧し外側を治具で囲い空隙の圧力変化を計測する。
  • 対象:開口部が少なく凹凸の少ない形状のワーク。
  • テスト圧に拘らず、計測時間が短く検出精度が高い。
  • テスト圧が高い時は特に有利になる。
  • 治具費用が比較的高価になる。
  • 開口部のシールが困難となり目視によるチェックもできない場合がある。

内容積の大きいワーク、カプセルによるシールが簡単なワークは、漏れが出てくる側を大気圧で測定すると検査時間が短縮されます。

圧力変化法密封品チャンバ法
  • 大漏れワークはカプセルとの空隙容積差を差圧におきかえて検出。
  • 対象:エアーの導入孔がない密封品。
    腕時計、電子部品等。
  • 大漏れから微小漏れまで検出が可能で、不感帯がない。
  • 小さいワークでも検査が可能。
  • カプセルが必要となる。
  • ワークにある程度の内部空間容積が必要。
  • 大漏れを検出する機構が必要となるためテスターの価格が上がる。

密封品のワークに対して使用します。この方式はワークの外周を加圧、または真空として測定するものです。
とくに大リークを検出する行程が追加されており、加圧と同時にワーク内部がテスト圧に達するような大リークも検出します

その他の検査方式応用例

多数個取り方式

  • 方式:複数のワークを同時にテストします。
  • 対象:内容積が小さいワークや、検出力に十分余裕がある時に使用します。加圧時間を長く必要とするとき(変形の影響があるときなど)に使用します。
  • メリット:1個あたりのテスト時間が短縮されます。
  • デメリット:測定精度が要求される場合、不良率が大きい場合は使用できません。複数の検査治具が必要になります。

2室同時測定方式

  • 方式:同一のワークに個別で測定する2室がある場合、2台のテスターでそれぞれの室に異なるテスト圧を印加し同時にテストを行います。
  • メリット:テスト時間が短縮されます。
  • デメリット:A室とB室の隔壁間で漏れが生じた場合、テスト圧の高いテスターはワークの不良判定、テスト圧の低いテスターはマスター不良判定となるので判定信号の処理を行うとき注意が必要です。
  • 排気干渉対策について:1台のテスターが先に判定完了し排気を行うと他のテスターの測定値に影響する場合があります。2台が同時に排気を行うよう外部で制御できる機種も用意しています。