差圧を流量に換算して表示するために必要な係数K(Ve) (リーク係数)を測定し設定することで、リーク単位を差圧(Pa)から漏れ量(mL / min)に変更し、漏れ量(mL / min)で管理することが可能となります。
タイマー設定
手動入力でタイマー設定
インテリジェント2回路の場合
- 1)加圧(CHG)に40 (s)を入力します。
- 2)等圧(BAL1)に30 (s)を入力します。
- 3)平衡(BAL2)に5 (s)を入力します。
- 4)検出(DET)に2 (s)を入力します。
インテリジェント1回路の場合
- 1)加圧(CHG)に60 (s)を入力します。
- 2)平衡遅延(DL1)に0.5 (s)を入力します。
- 3)平衡(BAL2)に30 (s)を入力します。
- 4)検出(DET)に2 (s)を入力します。
自動セットアップ機能を使用
- 1)加圧(CHG)自動設定。
- 2)等圧(BAL1)自動設定。
- 3)平衡(BAL2)自動設定。
- 4)検出(DET)に2 (s)を入力します。
より正確な加圧時間、平衡時間の目安の求め方はこちら
テスト圧力の設定
お客様の検査規格に基づき、テスト圧力、上限値、下限値などを設定してください。電空レギュレーター仕様の場合は、入力した値で調圧されます。精密レギュレーター仕様の場合は、設定圧になるように調圧してください。
LS R902電空レギュレーターのテスト圧力設定方法
LS-R700テスト圧設定方法
漏れ量単位の確認
K(Ve)の測定をする時は必ず漏れ量単位をPaに設定して実施してください。
シール/再現性の確認
用意した良品ワークでリークテストを3回実行し、設備の治具や配管などに漏れがないことを確認してください。
「漏れなし」の目安:表示値= 5 Pa 〜 20 Pa(再現性があること) ※但し、ワークの内容積と規格値にもよります。
不良判定確認
用意した不良ワーク(大リーク)でリークテストを2 回実行します。
「正しい不良判定」の目安 —— 漏れなしの場合の表示値と明らかに差があることを確認します。
K(Ve)測定
用意した良品ワークでK(Ve)測定を行い、リーク係数K(Ve)を取得します。
差圧表示から漏れ量表示へ
ワークとリークテスター及び接続配管などを含む測定系全体の内容積や計測時間により、漏れによる差圧変化量は異なります。
エアリークテスターではこの内容積として、計測系全体の圧力変動要因(ワークや差圧センサの内圧による容積変化)の影響を考慮した等価内容積(Ve)と呼ぶ係数を使用することで、差圧から流量に換算して漏れ量単位(mL / minなど)で表示します。
この等価内容積(Ve)を測定することをK(Ve)測定、リークキャリブレーションと言います。
エアリークテスターの機種によっては、リークマスターやオートリークキャリブレータを使用してエアリークテスターで自動でK(Ve)値を測定することができます。
リークマスターを使用したリークキャリブレーション方法
- 漏れの無いワークをセットします。
- 計測設定 > 詳細設定 > 単位 > リーク量でリーク量の単位がPaであることを確認します。
- 校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > 校正器タイプ
キャリブレータータイプがリークマスターである事を確認します。 - K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > LM漏れ量
接続したリークマスターのリーク量を入力します。 - 戻るを押してK(Ve)メニューに戻りK(Ve)測定画面を開きます。Startを押し、K(Ve) 測定を開始します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
- リークキャリブレーション方法
- 解説動画(Youtube)を見る
- 漏れの無いワークをセットします。
- 計測設定 > 詳細設定 > 単位 > リーク量でリーク量の単位がPaであることを確認します。
- K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > 校正器タイプ
キャリブレータータイプがリークマスターである事を確認します。 - K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > LM漏れ量
接続したリークマスターのリーク量を入力します。 - 戻るを押してK(Ve)メニューに戻りK(Ve)測定画面を開きます。Modeを押して手動リークマスターを設定します。
- 戻るを押してK(Ve)測定画面に戻りStartを押し、K(Ve)測定を開始します。
- 2回目の計測を終えると待機状態になるので、校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- Startを押すとK(Ve)測定を再開します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
- 上の6)でStartを押す前に校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- Startを押し、K(Ve)測定を開始します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
- 漏れの無いワークをセットします。
- メインメニュー > 計測設定 > 詳細設定 > 単位 > リーク量でリーク量の単位がPaであることを確認します。
- 校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- メインメニュー > K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > キャリブレーター
キャリブレータータイプがリークマスターである事を確認します。 - LM漏れ量
接続したリークマスターのリーク量を入力します。 - K(Ve)測定に戻りStartを押し、K(Ve)測定を開始します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
- リークキャリブレーション方法
- 解説動画(Youtube)を見る
- 漏れの無いワークをセットします。
- メインメニュー > 計測設定 > 詳細設定 > 単位 > リーク量でリーク量の単位がPaであることを確認します。
- メインメニュー > K(Ve) > K(Ve)設定 > 基本設定 > キャリブレーターキャリブレータータイプがリークマスターである事を確認します。
- LM漏れ量
接続したリークマスターのリーク量を入力します。 - K(Ve)測定に戻りModeの手動リークマスターを有効にします。
- K(Ve)測定に戻りStartを押し、K(Ve)測定を開始します。
- 2回目の計測を終えると待機状態になるので、校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- Startを押すとK(Ve)測定を再開します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
- 上の6)でStartを押す前に校正ポートの封止プラグを取り外し、リークマスターを取り付けます。
- Startを押し、K(Ve)測定を開始します。測定が終わるとK(Ve)値を表示します。
- 校正ポートに取り付けたリークマスターを取り外し、封止プラグをしっかりと取り付けます。
リークキャリブレーションを行う前に漏れのない状態でリークテストを行ない、ドリフト量をサンプリングし、リークキャリブレーションの補正に使用します。
- 良品ワークをセットし、校正ポートは封止プラグで漏れの無い状態にします。
- 通常測定モードでリークテストを行います。良判定であれば検出での差圧が補正量としてメモリされます。
- 測定モードでSHIFTキーを押し、リーク量表示器にSFtと表示させます。
- CAL. / COMPキーを押します。
- リーク量表示器に CAL と約1秒間表示した後、リーク量表示器にvE と表示され、リークリミット表示器に等価内容積がL単位で表示されます。この表示は点滅します。
【補足】
等価内容積がわかっている場合、▲UP DOWN▼キーでマニュアル入力可能となります。入力が完了したらENTERキーを押し、STOPキーを押すと計測モードに戻ります。 - ENTERキーを押すと等価内容積が消え、LO側にリークマスタの値を表示します。リークマスタの値をここに▲UP DOWN▼キーで入力します。但し、キーボードロックは解除されていなければ、値の入力はできません。このときの単位は mL / min です。SHIFTキーで設定有効桁を左へシフトできます。
- 入力が完了したら再度ENTERキーを押します。
- STARTキーを押すと差圧のサンプリングが始まります。
- サンプリングが終わると、差圧は事前に計測されたドリフト量で補正され等価内容積がリーク量表示器に表示されます。
RIGHT ►キーを1秒以上押すとリーク量表示器にドリフト値が表示され、確認することができます。 - STOPキーでリーク単位は mL / min に変更され、測定モードに戻ります。
- リークキャリブレーション方法
- 解説動画(Youtube)を見る
K(Ve)値の確認
測定したリーク係数K(Ve)値が、正しいか確認します。
リーク単位を漏れ量mL/minに変更します。
良品ワークを測定し、良品ワークの漏れ量(mL/min)を確認します。
次に、フロントパネルの校正ポートにリークマスターを接続し、リークマスターより漏らしながら先ほどと同じように、同じ良品ワークを測定し漏れ量(mL / min)を確認します。
リークテスターに表示された漏れ量が良品ワーク単体の漏れ量とリークマスターの漏れ量の合計の値と近似値であれば、正しくK(Ve)が測定されたことになります。大きく異なる場合は正しくK(Ve)が測定出来ていないため、再度K(Ve)測定を行ってください。
NG判定の確認
お客様の検査規格に基づき、リークリミット(mL / min)の設定を行ってください。
不良品ワークまたは不良判定用リークマスターで漏らしながらリークテストを実施し、リークテスターがNG判定することを確認してください。
LS R902リークリミットの詳細設定方法
LS-R700リークリミット設定方法